淡々とした朝日、劇的な読売(大津の園児死亡事故)
今回は大津で起こった園児死亡事故について様々な媒体の見出しを比較
◎対象期間:2019.5.8ー2019.5.10
検索キーワード:大津 and 園児 and 事故
◎朝日新聞
「保育園児の列に車、4人意識不明 交差点で2台絡む事故 15人搬送 大津」8日 夕刊
「園児の列に車、2人死亡 1人重体、13人重軽傷 大津」9日 朝刊
「『2人の園児、素直で笑顔で…』園長、声震わせ会見 大津、散歩の列に車」9日 朝刊
「事故の車2台、低い破損程度 速度大幅超過なしか 大津・2児死亡」9日 夕刊
「笑顔見られず胸張り裂ける 大津事故、園児遺族が談話」10日 朝刊
◎読売新聞
「園児ぐったり『ママ』 大津4人重体 保育園 散歩中に惨事」8日 夕刊
「園児ら列に車 4人重体 大津 15人病院に搬送」8日 夕刊
「いつもの散歩 暗転 大津・園児犠牲『ママ、ママ』靴や水筒散乱」9日 朝刊
「園児の列に車 2人死亡 大津、1人重体 衝突巻き添え」9日 朝刊
「大津園児犠牲 右折時『前良く見ず』軽に衝突 容疑者説明」9日 夕刊
「『衝撃音で対抗車線気づく』大津園児犠牲 右折の容疑者供述」10日 朝刊
「大津園児犠牲 乗用車 急に右折か 軽乗用車 速度超過なし」10日 夕刊
◎Yahoo!ニュース
対象記事が70件以上にのぼるため、特徴的であると考えたものを5件選択
「大津で車が園児の列に突っ込み、数人負傷か」8日 11:35(共同通信)
「大津交通事故受け『#保育士さんありがとう』登場 感謝と励ましの声集まる」9日11:18(デイリースポーツ)
「坂上忍、大津の園児死傷事故での保育園会見での記者の質問に疑問『言葉は丁寧だけど、保育園側の落ち度みたいなものを引き出そうとしている」9日13:7(スポーツ報知)
「『園長先生の涙』放送し続ける必要はあるか 『テレビつけたくない』『止めてあげて』」9日19:13(J-CASTニュース)
「大津園児死亡、直進車と右折車の法的責任は? 誰もが加害者になる可能性」10日10:15(弁護士ドットコム)
◎LINEニュース
「大津で園児の列に車突っ込む」8日 夕刊
「直進運転の女性釈放 大津」9日 朝刊
「園児ら死傷、ドラレコ解析へ」9日 昼刊
「大津の事故で遺族コメント」10日 朝刊
《考察》
まず新聞社2社を比較すると、朝日の方が淡々と事件の内容を伝えていると思った。
数字が多く登場するので、正確さを大事にしているのではないかと考える。
数字をいれることによって、事件の規模が明らかになるのではないか。
それに対し読売は少々ドラマチックであると感じた。
「ママ、ママ」という台詞は読者が事件をイメージしやすくなり、園児が実際に言った現場を想像すると、より読者を感傷的にする効果があると考える。
「靴や水筒散乱」も現場がイメージしやすくなる言葉であると思う。
「いつもの散歩 暗転」は「いつもの散歩」というプラスイメージのワードをあえて入れることによって、事件との落差を大きくし、よりドラマチックにしているのではないかと考えた。
Yahoo!ニュースに関しては、記事数が多く更新頻度も多いためもはや見出しが内容のようになっていた。
また、この事件を最初に取り上げたのは8日の11:35で、新聞の夕刊に比べるとやはり一番早く情報が得られる媒体であると考える。
見出しは「#保育士さんありがとう」などのネットの話題をとりあげたり、芸能人のコメントを掲載しているのが特徴的であった。
LINEニュースは文字数が決まっているのか、どれも短く、記事まで読まないと内容は多くはわからないようになっている。
どれも端的な事実のみで、書き手側の言葉などが一切入っていないのが印象的であると感じた。
以上、4つを比較してみると思いのほか違いがあったことに驚いた。
媒体が違えば差は出るであろうと予想していたが、新聞社2社も思ったより色があった。
見出しによって受け取る印象が大幅に変わるかどうかはわからなかったが、各社の意図のようなものは感じた。
次回もこの4つを比較していきたいと思う。
2019.5.22 ムラタ
0コメント